ブリタニカ

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※感想については全てネタバレあり。くれぐれも鑑賞後にご覧ください※

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

監督:JJ・エイブラムス

出演:デイジー・リドリー

区分:映画  

評価:★★★

 

なんなんだよこの茶番は!!自分は違うから無害だけど、ファンの人はブチ切れてダークサイドに堕ちても仕方ないレベルだろ……。誰が諸悪の根元か知らんけど、フォースチョークで絞め○されても文句言えないぞ絶対。

真偽はともかくとして、聞いた話によれば次のようになる。そもそも7・8・9の3部作は、全て異なる監督が製作する(斬新さを求めたのか、この時点でかなりリスキーでは?)→7、8は予定通り製作・公開。但し、8に集まった批判の多さにルーカスフィルム(それともディズニー?)がビビり出す→そんな矢先、9担当の監督が直前の作品で大コケ→危険を感じたルーカスフィルムは、当初のプランを覆し、その監督を降板させる→では9は誰が?と思っていたら、まさかの7担当の監督を再び抜擢→後日、9監督の脚本がネットに流出。7監督のそれより、よっぽど出来が良いと話題に……。もちろん、これが全ての事実ではないにせよ、9がこの世に産み落とされ、人々の-そして何より期待半分、不安半分で震えていたファンの-もとへ届けられた事実は、もう動かない。動かないのである。何と惨い事実だろう。

確かに、これを単体の作品もしくは7からの続き(脳内補正で8の全てを補うというとてつもない想像力が要求されるが)として見れば、巷に溢れる王道SFエンタメという枠で悪くない仕上がりだと思う。その点については、復刻に定評があるらしいエイブラムス監督に素直に拍手を送りたい(後述の理由で、息継ぎ出来ないほど爆速!の脚本になったのは致し方ない)。冒頭から幕引きまで、一切頭を使うことなく、スターウォーズっぽい世界観に浸れるのだ。きっと小・中学生あたりは大歓喜だぜ!

しかし、忘れてはならない。当然だが、この作品の前にはエピソード8が存在する”……。そう、御覧いただいた方にはわかるだろう。全く、テーマも伏線も筋書きもあったもんじゃない!何もかもぶっ壊されている!「8なんて無かった、とにかく7から始まった物語を、この9で何とか終わらせなきゃ!」……”-すべて、終わらせるというコピーは、そうしたエイブラムスの歪んだ決意表明であり、そこには彼の悲痛なSOSまで感じ取れてしまう(きっとエイブラムスもプレッシャーかけられたんだろうな。そうじゃなきゃ、もっと8の流れを上手く汲み取れたはずだ)。せめて、8も彼が監督をしていたなら。いや、世間体と収益を優先し、直前で担当監督の首を挿げ替えるという蛮行が全てを狂わせた元凶だ。彼もファンも、全てはプロダクションの犠牲者に他ならない。

スターウォーズは4・5・6、そして1・2・3を以って完結。それ以降は別作品とすべきだ(黒歴史として、その一部に含めることすら憚られる)。そうするしか、この溜飲は下げられないように思われる。映画史に燦然と輝くこのシリーズに、泥を塗ったその罪は限りなく重い。