ブリタニカ

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※感想については全てネタバレあり。くれぐれも鑑賞後にご覧ください※

コンテイジョン

監督:スティーブン・ソダーバーグ

出演:マット・デイモン

区分:映画  

評価:★★★

 

コロナウィルスが猛威を奮いまくる20204月。医療の発達したこの現代において、まさかパンデミックが起きるとは……。冗談みたいな話が現実に起きていることに、今まで味わったことのない感覚が襲う。そしてこの作品は、その不思議な(かつおぞましい)インスピレーションをさらに増幅してくれる。少なくとも自分はそうだった。しかしこれ、東日本大震災のケースと同様、トラウマを呼び起こしかねないシーンが散見されるため、視聴にはくれぐれも注意した方が良いです。絶対。

時世に左右されては意味が無いので、作品自体の評価をしていきたい。結論としては、やや物足りなさが残る星3つ。ドキュメンタリーとパニック映画を足して2で割った感じのテイストは、良くも悪くも普通だったといえる。作中を終始支配するのは、蔓延するウィルスが生み出す恐怖と静寂。リアリティを追求するという意味では確かなリズムを生んでいるが、終わってみるとどこか味気ない。それはきっと、どこかで作為の手の存在を少なからず欲してしまうからだ。恐らく学術的なリサーチがかなりされているのだろう、一つ一つのシーンは真実味があって強度を感じる。だが淡々と進んでいくうちに、何だか映画というより「豪華俳優陣が演じる再現VTR」に見えて来てしまう。全体的に眺めてみてもそうだ。〇跡体験〇ンビリバボーの再現Vが超絶クオリティーに仕上げられた感じ。まあだからと言って、やり過ぎるとB級映画みたいになるだろうし、監督が作りたかったものと乖離することだろう。やるなら、主要人物たちを絡めたもっと凄惨なシーンも入れるくらいだろうか?(薬を求めて暴徒と化した市民が、さらにエスカレートしていくシーンとか観たかった、あとは病院の惨状とか?)

しかし、今作の公開は2011年。そこから9年、作中の世界が現実となった今、上記の評価なんてクソみたいなものだ。ノストラダムスも真っ青の予言的中っぷりに、ただただ震え慄くばかりである。ちなみにオススメの視聴タイミングは、ニュースやワイドショーを見た後。現実で起きていることが映画化されていて、逆に現実が映画みたいに思えてきて……んん?