ブリタニカ

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※感想については全てネタバレあり。くれぐれも鑑賞後にご覧ください※

007 スカイフォール

監督:サム・メンデス

出演:ダニエル・クレイグ

区分:映画  

評価:★★★

 

UKに忠誠を誓っておきながら、今まで一度も観ていなかった『007』。今回、同シリーズの中でも屈指の評価を獲得したスカイフォールを今更ながら鑑賞した。……って、大英帝国を代表するような超ド級のメジャー作品なのに、このローテンションな書き方はいかがなものだよ。もっと弾けて書こうよ!! ……とまあ、本当ならそうしたいとこだったけど。

なんだろう。自分の発狂気味イギリス補正抜きで言うのなら、正直普通。シルヴァの犯行計画は観る分にはすごいけど、よく考えれば観せること重視で中身がない。動機の方も積み上げが無いし。ホームアローンみたいな篭城戦の際、ヘリで遅れてやってきた時にはミサイル!? と思ったら普通に機関銃、緩いぜシルヴァさん。軍艦島のエレベーターで降りてくる登場シーンが一番カッコ良かったな~。ボンドはボンドで、今回のミッション結局失敗に近いような? アクションというか銃撃戦や格闘シーンもまあ普通だったし。

では前置きはこれくらいにして、ここからは英国万歳スタイルで行きますよ! もうとにかくね、この映画はスタイリッシュ、そして構成がクール。だって冒頭のシーン(これがまた秒で惹き込まれる!バイクにショベルに列車!)でボンド、仲間に誤射されてスカイフォールしちゃうんだよ? しかもそこからのタイトルクレジット挿入。クールだね、語彙力死んでんだけどもうクールだね。そう、この物語はボンド再生の物語でもあるわけ。一度失墜したボンドが復帰するところから本編が動き出すし、ラストシーンはボンドの生家で、敵もボンドと同じ元MI6の腕利きエージェント。2人の男が1人の女性(というか母)を巡って殺し合う、コンプレックスストーリーという見方もできる。もちろんそんな見方をしなくても良いが、とにかくキレイにまとまっている。細かい辻褄なんかどうでも良いんだよ!(さっきと言ってることが違うビョーキ)ロンドンやスコットランドの美しさは言うまでも無いけど、全編にわたってイチイチ画がかっこいいんだよな。ダニエル・クレイグも渋いし(というかこの作品自体が渋いので余計にマッチ)、シルヴァを演じたバルデムさんの怪演も雰囲気たっぷり。あと振り返れば、初見殺しじゃ無いところも良い。通年のファンだからこそ楽しめる部分だけじゃなく、一スパイアクション映画として完成されている。

あの印象的なテーマに、ボンドカーやボンドガール、ワルサーPPK、そしてスーツをバリっと着こなすジェームズ・ボンド。「ボンドだ。ジェームズ・ボンド」。とにかくクール過ぎ……!!